今回は紙漉思考室がどんな道具で紙を漉いているか、お話したいと思います。
紙の作り方(道具)は何種類もありますが、今回は、日本でもっともポピュラーな紙の作り方、流し漉きの道具を紹介します。
流し漉きに使用する道具は簀(す)と桁(けた)があります。
簡単に説明すると簀は網で、桁はその網を挟む枠です。
セットするとこうなります!
この簀、桁は二尺×三尺で紙のサイズが約640mm×950mmあります。
障子紙によく使用されるサイズで、そのほか紙漉思考室で作られる流し漉きの多くは
この簀桁を使用します。
簀も種類があり竹ひごで、できたひご簀
萱(かや)で、できた萱簀
紙漉思考室にはこの二種類があります。
ひご簀はひごの太さで、用途や紙の質感が変えれます。
(例)薄い紙を漉く時は細かい竹ひごで目の詰まった簀が良く、厚い紙の時は
紙の重さに耐えれるように太い竹ひごの簀が良いなど・・・。
萱簀は萱の大きさがある程度大きいので漉いた紙を透かしたら萱の跡がくっきり見えて
何とも言えない風合いがあり質感も若干、竹簀と異なります。
現在、ひご簀も萱簀、どちらとも良い材料がなく高知の簀桁の職人さんが
困っておられました。
以前、高知で萱を取りに行く手伝いをさせて頂いた際、よく言われたことは
肥えてない(栄養のない)土地の萱がいい!と言われました。
栄養のある所の萱は、太すぎで油分があり簀に使用できないそうです。
萱はどこにでもありますが肥えてない土地を見つける事が今は難しいです。
なんでも、ちょっとしたことで物事がうまくいきませんが、紙漉きはそれ以上に
うまくいかないことが多いと最近良く思います(笑)。
そのちょっとした事を乗り越えながら紙を漉いていきたいですが・・・。
先週のアオギリのノリの結果をupする予定でしたが、ちょっとしたことで失敗しました(笑)
今度またやってみます。
いい加減、涼しくならないと良い紙が漉けません!!!