とてもとても久しぶりの更新。
余りにも久しぶり過ぎて何を書こうか悩みましたが、最近の仕事で多く使って頂いている紙漉思考室が考えだした土を使った紙を紹介させて頂きます。
自分が高知で紙漉きの勉強を始めてから約10年。高知でお世話になっている時にいろいろな紙を漉いてみました。原料や漉き方を変え、そして紙を漉くときにいろんな物を混ぜたり、加工をしたり・・・。今は良い思い出です(笑)年月が経ち紙を勉強すればするほど丁寧に作ったオフホワイトの紙が大好きになる一方、いろんな物を混入させて漉く紙に全く食指が動かなくなりました。それはいろんな方に出会いお話をさせて頂いてから自分の考えが面白いように変化しているためです。今は注文以外で紙を漉く時はシンプルでテクスチャーを大切に紙を漉いています。言葉の使い方が間違っているかもしれませんが、紙を漉く際に加工したり繊維以外の物を混ぜて漉く事に大義名分があればそれはありだと思いますが、ただ物珍しい紙を作るのに色々と入れたり加工するのは・・・。まず漉いている時点で自分が飽きます(笑)その一方、頭の片隅で自然で優しい色の付いた紙や自分に意義のある柄の紙が出来ないかいつも考えていたのも事実です。
紙漉きの勉強を高知でしている時に土入り紙に出会い、自分もオリジナルの土入り紙を作りたいと考え何通りか漉いてみました。幸い唐津には唐津焼きに使用する土が豊富にあります。土を入れて漉く理由は色々あり、害虫に強くなる、紙の伸縮が少ない、そして自然素材で紙との相性も良い上に何より自然で優しい色が付けれる!などなど。その当時は唐津焼きを包む紙などに使って頂けないかと当時ワクワクしながら漉いていました。しかし最初に漉いたその紙はザラザラとした土と言う異物を入れた紙でしかありませんでした。下の写真の紙は初期の頃に漉いた多少ザラつきのある紙
その土を使い改良に改良を重ね今まで何通りかの紙が出来ました。紙漉思考室はデザインなどは行っていません。紙を使いたい方のご要望にお応えして新しい意義のある紙を作ります。次回はその新しく出来た土入り紙の紹介をさせていただきます!